ソ連といえば「レーニン」．モスクワの町はレーニン像だらけでした．当時の「モスクワ交通地図」付録の名所案内では，モスクワ市内に２５ケ所のレーニン像が登録されていました．

小さな公園の中にも，こんなふうに，レーニンさんが座っていました．ただ，こんなふうにゆったりと腰掛けている像は，あまり多くなかったように思います．

多いのはやはり，右のような，風に立ち向かって立っているものでしょう．手を上げて，演説をしているスタイルのものも多かったです．この写真のレーニン像は，モスクワで一番大きいものでした．ピョンヤンの金日成像ほどではありませんが，像のそばを歩いている人と比べると，その大きさがわかると思います．この像は，地下鉄"Октябрьская"（アクチャーブリスカヤ）駅そばの，私が滞在していた科学アカデミーホテルの近くにありました．ソ連崩壊後，この像のまわりの広場は，保守派の牙城になったそうです．

これは，モスクワのかなり郊外に行ったところの公園の白樺林のかげに現れた，不気味なレーニンの顔です．もちろん，これは交通地図の２５ケ所のレーニン像には入っていません．はたして，この像は作りかけで放棄されたのか，それとも，すでにこのころ，レーニン像を破壊する動きがあったのでしょうか？単にここに作業場があっただけなのかも知れませんが，それにしてもこの像が今どうなっているか，そして，２５ケ所のレーニン像のうち今でも健在なのがいくつあるか，が気になります．