モスクワの地下鉄が，絵はがきになるほどの名所になっている理由の１つに，その駅の建築に施された装飾があります．このページでは，彫刻，壁画などの装飾をご紹介します．

とくに，スターリン時代に建設された駅では，スターリンの好んだ細かい彫刻が，随所に施されています．右上の写真の"Краснопресненская"（クラスノプレスネンスカヤ）駅はそのような建築の代表的な例で，まるでギリシャの神殿のようです．また，右下の"Октябрьская"（アクチャーブリスカヤ）駅も，建物自体は普通のビルのようですが，入り口の周りには細かい彫刻が施されています．写真がないのが残念なのですが，天井にはラッパをもった天使も彫刻されていました．

彫刻と並んで，彫像もたくさんあります．右上の写真は"Измайловский Парк"（イズマイロフスキー・パルク）駅のもので，第２次大戦（ソ連では「大祖国戦争」と呼んでいました）のときのパルチザンのものです．さらに，右下の写真の"Площадь Революции"（プローシャチ・レヴォルーツィ）駅では，プラットホーム上に，このように兵士の彫像が並んでいますが，ここまでやるとちょっと不気味だと思います．

また，駅の名前にちなんだ装飾をした駅もあります．左の写真は私がいた研究所の最寄り駅"Цветной Буливар"（ツヴェトノイ・ブリヴァール）駅のものです．「ツヴェトノイ・ブリヴァール」とは「花の並木道」という意味で，花模様のステンドグラスが飾られています．

右の２つの写真は，元素の周期表を発見した化学者メンデレーエフにちなんだ"Менделеевская"（ミンデェレーエフスカヤ）駅のもので，周期表と元素模型を装飾にしています．

これは，ウクライナ方面への列車が出発する「キエフ駅(Киевский Вокзал)」の地下にある"Киевскя"（キエフスカヤ）駅の壁にある絵です．「ソビエト赤軍とウクライナ農民の友好」と題されています．うーむ，本当でしょうか？